貸金業規制法が大幅に改正され、名前も新たに「貸金業法」が平成19年12月19日に施行されました。
ただし、この改正法の施行時期は4段階に分かれており、完全施行は2年以上先のことになります。
主な改正点 * * は未施行のもの
上限金利の引下げ
*
- 出資法の上限金利を20%に引下げ
- みなし弁済制度(グレーゾーン金利)を廃止
- 利息制限法の上限(元本が10万円以上の場合)と出資法の上限との間の金利での貸付けは行政処分の対象
過剰貸付の抑制
- 指定信用情報機関制度の創設 *
- 条件を満たした信用情報機関を指定し、貸金業者が借り手の総借入残高を把握できる仕組みを整備
- 総量規制の導入(与信の厳正化) *
- 1.返済能力調査(指定信用情報機関の使用)を義務づけ
- 2.次の場合は、収入証明資料(源泉徴収票、納税証明書etc.)の取得を義務づけ
- A.自社の借入残高が50万円を超える場合
- B.他社も含めた総借入残高が100万円を超える場合
- 3.返済能力を超える(総借入残高が年収の3分の1を超えるetc.)貸付けの禁止
行為規制の強化
- 取立行為の規制
- (新たに禁止される行為)
- 1.夜間に加え日中の執拗な取立
- 2.債務者からの退去指示に従わないこと
- 3.他の貸金業者だけでなく、あらゆる他者からの借入による弁済要求
- 4.他者への肩代わり弁済要求
- 5.拒否している者に対する取立への協力要求(住所を訊くetc.)
- 6.債務者に対して、禁止行為をする旨を告げること
- 事前書面交付 *
- トータルの元利負担額などを説明した書面の事前交付を義務づけ
- 生命保険契約の制限
- 債務者の自殺により保険金が支払われる保険契約の禁止
- 連帯保証人への説明
- 催告の抗弁権(債務者に先に返済を求めるよう債権者に要求すること)と
- 検索の抗弁権(債務者に先に取り立て(強制執行)するよう債権者に要求すること)
- が連帯保証人にはないことの説明を義務づけ
その他
- 罰則の強化
- 貸金業務取扱主任者試験の導入 * と各店への配置 *
- 業務改善命令の導入 etc.
段階的施行
貸金業法の改正は次の4段階に分けて、順番に施行されていくことになっています。
- 1.公布日から1ヵ月後(H.19.1.20)
- 罰則の強化
- 2.施行日(H.19.12.19)
- 取立規制の強化、業務改善命令の導入など
- 3.施行日から1年半以内の政令指定日(H.21.6.18頃)
- 指定信用情報機関制度の創設など(* が付いたもの)
- 4.施行日から2年半以内の政令指定日(H.22.6.18頃)
- 上限金利の引下げ、総量規制など(* が付いたもの)
注意すべき点
- 今ある債務の金利はそのまま
- 改正前に契約したものについては改正前の法律が適用されるため、すでに借入れをしている債務者の金利が自動的に引き下げられる訳ではありません。
改正前から債務を負っている方は、貸金業者に利息の再計算や過払金返還を請求する必要があります。
- 貸金業者への請求については >> こちら
- 見直し規定で改悪の可能性も
- 今回の改正には、「施行から2年半以内に所要の見直しを行う」旨の規定があります。
つまり、金利の引下げや総量規制が施行される前に、法律が見直される可能性があるのです。
今後、高金利特例や猶予期間の延長など、債務者にとって不利な見直しが行われないか注視していく必要があります。
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